住宅ローンの事前審査に落ちないためには

注文住宅の新築にあたり、住宅ローンを借りてその費用を工面するのはふつうのことですが、この場合、住宅ローンを取り扱っている金融機関の事前審査を受ける必要があります。事前審査があることによって、正式な審査で断られてしまい、新築の契約がうまくいかなくなるといった事態をのがれることはできますが、せっかく申し込みをするのですから、やはり審査を完全にパスして予定どおりローンが受けられるようにはしたいものです。
この住宅ローンの事前審査ですが、審査に落ちてしまう場合は、それなりの理由があるものです。逆に、はじめから審査に落ちないように、書類の内容をととのえておくことがたいせつとなってきます。事前審査というのは、住宅ローンをこれから数十年にもわたって貸し付けるにあたり、確実に返済をしてもらえるかどうかといったことを重視するものです。そのため、本人の年収に照らしてみて、あまりにも無理がある借り入れというのは認められず、審査に落ちる可能性が高まると考えて差し支えないでしょう。
たとえば、本人の年収に対して、年間に返済すべき住宅ローンの金額が、あまりにも大きな場合が挙げられます。これは返済負担率ということばで呼ばれるものですが、通常は2割から3割程度が健全であり、それを超えるようであれば、返済が苦しくなるため、はじめから貸し付けを認めないという傾向があるようです。この比率を調整するのであれば、注文住宅のグレードを下げるなどして、新築に要する価格そのものを引き下げて、相対的に返済額を少なくしたり、頭金としての自己資金の比率を上げて、借り入れを少なくするといった工夫をすることが必要となります。
また、注文住宅の新築にかかる費用に対して、住宅ローンで借り入れをする金額の割合が、あまりにも大きな場合についても、やはり同様に健全ではないとみなされてしまいます。この場合は、頭金として資金計画のなかで充当する自己資金が少なすぎるということにほかなりませんので、頭金を増やし、逆に住宅ローンでの借り入れをする金額を減らすという方法が有効となります。
いずれにしても、事前審査に落ちる理由としては、身の丈にあわないような無理な資金計画によって注文住宅を新築しようとしているということが最大の原因であるととらえられますので、場合によってはすなおに金融機関の住宅ローンの担当者に相談をして、そのアドバイスを受けて、綿密に下準備をするのがよいでしょう。